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2023.01.26

AGAと外的要因(紫外線、環境汚染など)の関係について

薄毛は男性の深刻な悩みの一つで、薄毛に悩む方は全国に約1,200万人もいると言われています。薄毛にはいくつかの原因が考えられますが、主な原因はAGA(男性型脱毛症)です。AGAは進行性の症状であり、原因を理解した上で正しい治療が必要となります。

AGAの進行原因は主に男性ホルモンの悪玉化によるものですが、この進行には外的要因も関与している可能性があります。本記事では、AGAと外的要因の関係について解説します。

AGAとは

まずはじめにAGAについてご説明します。AGAは「Androgenetic Alopecia」の略で、日本語では「男性脱毛症」と訳されます(「Androgen = 男性ホルモン」「Alopecia = 脱毛症」という意味)。

AGAは男性に最も多く見られる脱毛症で、額の生え際や頭頂部の髪の毛が細く短くなり、少しずつ髪の毛が薄くなっていくのが特徴です。

AGAの原因

AGAは男性ホルモンの「テストステロン」と酵素の「II型5αリダクターゼ」が結合した「ジヒドロテストステロン(DHT)」が毛根に作用することで進行します。

通常のヘアサイクル(毛周期)は大きく「成長期」「退行期」「休止期」に分かれ、「成長期」において髪の毛は最も活発に育まれます。通常は約1000〜2000日かけてヘアサイクルが1周しますが、AGAの発症でヘアサイクルが乱れると髪の毛の「成長期」が最短100日程度と極端に短縮されてしまうのです。

AGAの詳しいメカニズムは以下の通りです。

① 「テストステロン」と酵素の「II型5αリダクターゼ」が結合

② 「ジヒドロテストステロン(DHT)」が発生

③ 男性ホルモンレセプターが「DHT」をキャッチ

④ 脱毛因子「TGF-β」が増加

⑤ 「TGF-β」が毛乳頭細胞に退行期移行へのシグナルを発信

また、AGAは進行性であることが知られており、一度発症してしまうと自然に治ることは決してありません。そのため、薄毛が気になり出した場合は、なるべく早く専門医を受診し、治療を始めることが大切となります。

AGAと外的要因の関係

AGAの症状や原因、進行ステップは上記の通りであり、これらは遺伝や生活習慣が大きく関わっています。加えて外的要因もAGAに影響を与える可能性があり、注意が必要です。以下に主な外的要因について説明します。

  • 紫外線
    紫外線は皮膚に様々な影響を与えることが知られています。特に紫外線B波(UVB)は頭皮や毛包にダメージを与え、髪の成長に影響を及ぼす可能性があります。研究によれば、紫外線による頭皮の炎症や酸化ストレスがAGAの進行を加速させることが示唆されています。
  • 環境汚染
    環境汚染は我々の健康に様々な悪影響を与える可能性がありますが、AGAにも関与している可能性があります。大気中の有害物質や化学物質は頭皮や髪に接触し、炎症や酸化ストレスを引き起こすことがあります。炎症や酸化ストレスが抜け毛につながる可能性があります。
  • ストレス
    ストレスはAGAの進行に関与する要因の一つですが、外的要因との関係も重要です。紫外線や環境汚染などの外的要因はストレスを増加させることがあり、その結果、AGAの進行を加速させる可能性があります。また、外的要因が心理的なストレスを引き起こす場合もあります。

外的要因への対策

外的要因がAGAの進行に関与する可能性があるため、適切な対策を取ることが重要です。以下にいくつかの対策を紹介します。

  • 紫外線対策
    帽子や日傘の使用、日焼け止め剤の利用など、頭皮と髪を紫外線から守る対策を行いましょう。
  • 環境への注意
    汚染の多い場所や化学物質の多い環境を避けることができれば、AGAの進行を抑制する可能性があります。
  • ストレス管理
    外的要因によるストレスを軽減するために、適切なストレス管理法を取り入れましょう。リラックス法やストレス解消の方法を活用し、心身の健康を保ちましょう。

最後に

AGAの進行は遺伝的要因や生活習慣だけでなく、外的要因も関与している可能性があります。紫外線や環境汚染などの外的要因は頭皮や髪にダメージを与え、AGAの進行を促進する可能性があります。また、外的要因はストレスを増加させることもあり、その結果、AGAの進行を加速させる可能性があります。自身でできる限りの対策を取りながら、外的要因からの影響を最小限に抑えることが重要です。

薄毛の原因がAGAの場合、症状の改善には適切な治療が必要になります。薄毛にお悩みの方はお気軽にご相談ください。

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監修医師

TOSHIYA ISHIYAMA
石山 敏也

2014年順天堂大学医学部卒業後、順天堂大学医学部附属順天堂医院に勤務。19年より、新島診療所村医に就任。20年スキンシアクリニック副院長に就任。日本内科学会認定医産業医

参考文献
Naito A, et al. Environmental Factors and Male Reproductive Health. Nihon Eiseigaku Zasshi. 2016.

Trüeb RM. Oxidative Stress in Ageing of Hair. International Journal of Trichology. 2009.

Kwack MH, et al. Sung-Joo Kim. Dihydrotestosterone-Inducible IL-6 Inhibits Elongation of Human Hair Shafts by Suppressing Matrix Cell Proliferation and Promotes Regression of Hair Follicles in Mice. Journal of Investigative Dermatology. 2012.

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