2023.01.24
生え際の薄毛とAGAについて

薄毛は男性の深刻な悩みの一つで、薄毛に悩む方は全国に約1,200万人もいると言われています。薄毛にはいくつかの原因が考えられますが、主な原因はAGA(男性型脱毛症)です。AGAは進行性の症状であり、原因を理解した上で正しい治療が必要となります。
生え際の薄毛は、鏡などで見ると自分でも気づきやすい場所のため薄くなってくると心配になる方も多いかもしれません。本記事では生え際の薄毛とAGAについてご説明します。
AGAとは
まずはじめにAGAについてご説明します
AGAは「Androgenetic Alopecia」の略で、日本語では「男性脱毛症」と訳されます(「Androgen = 男性ホルモン」「Alopecia = 脱毛症」という意味)。
AGAは男性に最も多く見られる脱毛症で、額の生え際や頭頂部の髪の毛が細く短くなり、少しずつ髪の毛が薄くなっていくのが特徴です。
また、AGAは進行性であることが知られており、一度発症してしまうと自然に治ることは決してありません。そのため、薄毛が気になり出した場合は、なるべく早く専門医を受診し、治療を始めることが大切となります。
AGA発症のメカニズム
AGAは男性ホルモンの「テストステロン」と酵素の「II型5αリダクターゼ」が結合した「ジヒドロテストステロン(DHT)」が毛根に作用することで進行します。
通常のヘアサイクル(毛周期)は大きく「成長期」「退行期」「休止期」に分かれ、「成長期」において髪の毛は最も活発に育まれます。通常は約1000〜2000日かけてヘアサイクルが1周しますが、AGAの発症でヘアサイクルが乱れると髪の毛の「成長期」が最短100日程度と極端に短縮されてしまうのです。
AGAの詳しいメカニズムは以下の通りです。
①「テストステロン」と酵素の「5αリダクターゼ」が結合
② 「ジヒドロテストステロン(DHT)」が発生
③ 男性ホルモンレセプターが「DHT」をキャッチ
④ 脱毛因子「TGF-β」が増加
⑤ 「TGF-β」が毛乳頭細胞に退行期移行へのシグナルを発信
生え際の薄毛とAGAの関係
AGAの発症メカニズムは上記の通りですが、生え際の薄毛とAGAには関係があります。
それはテストステロンからジヒドロテストステロンを生成するキーとなる還元酵素5αリダクターゼが生え際、頭頂部に多く存在しているためです。5αリダクターゼの活性度は遺伝的要素が大きく、そしてこの5αリダクターゼの活性度が高いほど、AGAの進行を早めてしまうことになります。AGAの症状が生え際や頭頂部に多く見られるのは上記が原因になります。
AGAの治療法
AGAによる生え際の薄毛に対する治療法は大きく「抜け毛を抑制する」「発毛を促進する」2つの治療があり、代表的な治療薬にそれぞれフィナステリドとミノキシジルがあります
- フィナステリド
フィナステリドは抜け毛を抑制するお薬で、テストステロンが5αリダクターゼを結びつくのを抑制しのジヒドロテストステロンの生成を阻害することで薄毛の進行を遅らせる効果があります。
- ミノキシジル
ミノキシジルは血流を促進し毛包の成長を刺激する作用があります。髪の成長を助けることで薄毛に対して効果があるとされています。
AGAは初期段階で治療を開始することで治療の効果が得やすくなります。生え際の薄毛が気になったら早めの診断と適切な治療を受けることが推奨されます。
また、上記の治療に加えて健康な食事、十分な睡眠、ストレス管理など、健康的な生活習慣を実践することが大切です。
最後に
本記事では生え際の薄毛とAGAについてご説明しました。AGAは生え際や頭頂部に抜け毛の原因につながる還元酵素5αリダクターゼが多く、そのため生え際が薄くなってきたと自覚症状があればAGAの可能性が高いです。
AGAは早期に治療を開始することでその効果を得られやすくなります。生え際の薄毛が気になる方はまずはお気軽にご相談ください。
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監修医師
TOSHIYA ISHIYAMA
石山 敏也
2014年順天堂大学医学部卒業後、順天堂大学医学部附属順天堂医院に勤務。19年より、新島診療所村医に就任。20年スキンシアクリニック副院長に就任。日本内科学会認定医産業医