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2023.01.19

体毛の濃さと薄毛の関係について

薄毛は男性の深刻な悩みの一つで、薄毛に悩む方は全国に約1,200万人もいると言われています。薄毛にはいくつかの原因が考えられますが、主な原因はAGA(男性型脱毛症)です。AGAは進行性の症状であり、原因を理解した上で正しい治療が必要となります。

「毛深い人は薄毛になりやすい」ということを聞いたことがあるかもしれません。体毛は濃いのに髪が薄くて悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。体毛の濃さと薄毛には関係があるのか、本記事では体毛の濃さと薄毛の関係について解説していきます。

AGAについて

まずはじめにAGAについてその内容、原因などを説明します

AGAは「Androgenetic Alopecia」の略で、日本語では「男性脱毛症」と訳されます(「Androgen = 男性ホルモン」「Alopecia = 脱毛症」という意味)。

AGAは男性に最も多く見られる脱毛症で、額の生え際や頭頂部の髪の毛が細く短くなり、少しずつ髪の毛が薄くなっていくのが特徴です。

AGAは男性ホルモンの「テストステロン」と酵素の「5αリダクターゼ」が結合した「ジヒドロテストステロン(DHT)」が毛根に作用することで進行します。

通常のヘアサイクル(毛周期)は大きく「成長期」「退行期」「休止期」に分かれ、「成長期」において髪の毛は最も活発に育まれます。通常は約1000〜2000日かけてヘアサイクルが1周しますが、AGAの発症でヘアサイクルが乱れると髪の毛の「成長期」が最短100日程度と極端に短縮されてしまうのです。

AGAの詳しいメカニズムは以下の通りです。

① 「テストステロン」と酵素の「5αリダクターゼ」が結合

② 「ジヒドロテストステロン(DHT)」が発生

③ 男性ホルモンレセプターが「DHT」をキャッチ

④ 脱毛因子「TGF-β」が増加

⑤ 「TGF-β」が毛乳頭細胞に退行期移行へのシグナルを発信

体毛の濃さと薄毛の関係

上記のようにAGAは男性ホルモンであるテストステロンが悪玉化しジヒドロテストステロンが発生することで本来のヘアサイクルよりも早く髪の毛が抜けてしまい、薄毛になるというものでした。

体毛やヒゲなどが生えるのに関係しているのがこのテストステロンです。体毛の濃い人はテストステロン量が多く発毛を促す確率が高くなります。テストステロン自体はむしろ発毛を促すホルモンです。

しかし、発毛を促す作用が現れる前に5αリダクターゼと呼ばれる還元酵素と結合してしまうと、ジヒドロテストステロンが生まれてしまいます

5αリダクターゼの量は遺伝的な要素である程度決まっており、これが多い人ほどAGAの発症の可能性が高くなります。

つまり、毛深い(=テストステロンが多い)人でも、それが必ずしも頭皮環境上でジヒドロテストステロンに代謝されてしまうわけではないということがわかります。テストステロンからジヒドロテストステロンへの変化のきっかけとなるのは5αリダクターゼのため、むしろ毛深くなくても5αリダクターゼが前頭部や頭頂部に多く存在していればAGAを発症する可能性があるということになります。

なぜ毛深いと薄毛になると言われているのか?

上記のように毛深い(=テストステロンが多い)人が必ずしも薄毛になるということではないということをご説明しました。

しかし一方で、仮に同じ総量の5αリダクターゼを持っている人が二人いれば、テストステロン量が多い毛深い人の方が、より多くのジヒドロステロンを生成してしまうということも事実のため、毛深い人は薄毛になりやすいと言われているのかもしれません。

AGAの症状が出始めた場合、毛深い(=テストステロンが多い)人の方が症状の進行が速くなる可能性はあります。

最後に

本記事では体毛の濃さと薄毛の関係について解説していきました。AGAの原理から毛深い(=テストステロンが多い)人が必ずしも薄毛になるわけではありませんが、毛深い人が薄毛になりやすいというのは一部においては事実です。

体毛の濃さに関わらずAGAを発症した場合は適切な治療が必要になります。薄毛にお悩みの方はお気軽にご相談ください。

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監修医師

TOSHIYA ISHIYAMA
石山 敏也

2014年順天堂大学医学部卒業後、順天堂大学医学部附属順天堂医院に勤務。19年より、新島診療所村医に就任。20年スキンシアクリニック副院長に就任。日本内科学会認定医産業医

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