2022.11.29
【AGA治療】ミノキシジル服用時の多毛症について

薄毛は男性の深刻な悩みの一つで、薄毛に悩む方は全国に約1,200万人もいると言われています。薄毛にはいくつかの原因が考えられますが、主な原因はAGA(男性型脱毛症)です。AGAは進行性の症状であり、原因を理解した上で正しい治療が必要となります。
AGAの代表的な治療薬にミノキシジルがあります。血流を促進し毛が生えるのを促進するお薬ですが、服用することで髪の毛以外の毛が濃くなることがあります。本記事ではミノキシジル服用時の多毛症についてご説明します。
ミノキシジルとは?
ミノキシジルはAGA(男性型脱毛症)の代表的な治療薬の一つで、血行を促進する効果や、発毛因子を増加させる効果が期待できます。
元々ミノキシジルは降圧剤として1979年に開発された薬で、血管を拡張して血圧を下げる効果があります。開発された当時は降圧剤として使用されていたのですが、副作用として多毛症が認められたことから、再び発毛剤としての研究が進められました。その結果、ミノキシジルによる発毛効果が認められ、代表的なAGA治療薬の一つとなったのです。
ミノキシジル配合のAGA治療薬には、内服薬のタブレット型と外用薬のローションタイプがあります。血液から有効成分を吸収できる内服薬の方が発毛効果は高いとされていますが、2023年時点で内服薬の国内承認は出ていません。服用する場合はリスクを理解し、専門医による管理の元で行うようにしましょう。外用薬は内服薬に比べて安全性が高く、国内でも承認されています。
ミノキシジルの効果
ミノキシジルは代表的なAGA治療薬として、主に以下3つの効果によって発毛が促進されることが知られています。
・血流促進
・毛母細胞の活性
・育毛・脱毛抑制
■血流促進
ミノキシジルは血管を拡張して血流を良くする効果があります。そのため、ミノキシジルを内服または塗布すると、頭皮の血管が拡張されてより多くの栄養が髪の毛へ届きやすくなり、髪の毛が育ちやすくなります。
また、頭皮の血管は栄養の運搬だけでなく、老廃物の排出にも関係しています。そのため、血流を促進することで、栄養と老廃物の代謝が活性化して毛髪の健康に良い栄養を与えるのです。
■毛母細胞の活性
ミノキシジルは髪の毛を作り出す「毛母細胞」を活性化する効果があります。「毛母細胞」とは、栄養素や酸素を受け取って細胞分裂を行い、実際に毛髪になる細胞を指します。
また、ミノキシジルは「毛母細胞」に栄養や指令を送る「毛乳頭細胞」を増殖させる効果も併せ持つと言われています。これらの効果により、発毛を促すことに加え、髪の毛の寿命(ヘアサイクル)を伸ばしたりできるのです。
■育毛・脱毛抑制
ミノキシジルは髪の毛を作り出す「毛母細胞」の死滅(アポトーシス)を防ぐ効果があります。「毛母細胞」が死滅すると、毛髪の成長期が終了して退行期へと移行してしまいます。
特に、AGAの方は男性ホルモンによって、通常よりも早期に毛髪の成長期が終了してしまうので、ミノキシジルによって毛髪の成長期を延長させることは、毛髪サイクルを正常に保つために効果的です。
ミノキシジル服用時の多毛症について
ミノキシジル使用、服用時の副作用として多毛症があります。ミノキシジルによって血流が良くなることで髪以外の体毛の細胞も活発になり、特定の部分や全身の体毛が濃くなってしまう症状です。外用薬は頭皮に直接塗布するため、頭皮以外の毛が濃くなるケースは稀ですが、内服薬は内側から血流の促進を働きかけ、外用薬と比較して発毛効果が高い一方で、頭髪以外の毛も濃くなりやすい傾向があります。
多毛症は個人差がありますが主に眉毛、背中、腕(指の毛も含む)、脚などにあらわれやすいと言われています。
多毛症の症状が出たら
上記の通り、多毛症は頭髪以外の毛が濃くなってしまう症状ですが、一方でミノキシジルの効果が出ている証拠でもあります。症状が気になる場合は以下のような対策も有効です。
- 脱毛する
ミノキシジルによる体毛の増加が気になる場合、脱毛を行いながらミノキシジルを服用することも効果的です。
- ミノキシジルの外用薬に変更する
ミノキシジル外用薬は比較的、多毛症のリスクが小さいため、まずは内服薬で高い発毛効果を得たうえで、理想としている効果が得られたら内服薬から外用薬に変更することも一つの手段です。
最後に
本記事ではミノキシジル服用時の多毛症についてご説明しました。ミノキシジル内服薬は高い発毛効果を得やすい一方、頭髪以外の毛が濃くなる多毛症の症状が出ることがあります。薬が効いていることの証拠でもありますので悩まれる方もいらっしゃるかもしれませんがご自身の理想とする毛量になるまではお薬を継続いただくことを検討ください。また、脱毛を検討することも一つの解決策です。
AGAは適切な治療が必要になります。お悩みの方はお気軽にご相談ください。
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監修医師
TOSHIYA ISHIYAMA
石山 敏也
2014年順天堂大学医学部卒業後、順天堂大学医学部附属順天堂医院に勤務。19年より、新島診療所村医に就任。20年スキンシアクリニック副院長に就任。日本内科学会認定医産業医
参考文献
Smith, C., & Feldman, S. (2019). Scalp Sebum and Its Relationship to Hair Health and Hair Shaft Disorders. Journal of Investigative Dermatology Symposium Proceedings, 20(1), S19-S22. doi: 10.1016/j.jisp.2018.10.008.