薄毛は男性の深刻な悩みの一つで、薄毛に悩む方は全国に約1,200万人もいると言われています。薄毛にはいくつかの原因が考えられますが、主な原因はAGA（男性型脱毛症）です。AGAは進行性の症状であり、原因を理解した上で正しい治療が必要となります。

AGAは通常、徐々に進行することが多いため発見するのが難しい症状です。しかし、AGAの兆候をセルフチェックすることで、早期に発見し適切な治療を受けることで症状を改善することができます。本記事では、AGAによる抜け毛の可能性を見極めるための簡単なセルフチェックの方法をご紹介します。

1　AGAの原因は？

まずはじめにAGAについてご説明します。AGAは「Androgenetic Alopecia」の略で、日本語では「男性脱毛症」と訳されます(「Androgen = 男性ホルモン」「Alopecia = 脱毛症」という意味)。

AGAは男性に最も多く見られる脱毛症で、額の生え際や頭頂部の髪の毛が細く短くなり、少しずつ髪の毛が薄くなっていくのが特徴です。

AGAは男性ホルモンの「テストステロン」と酵素の「II型5αリダクターゼ」が結合した「ジヒドロテストステロン(DHT)」が毛根に作用することで進行します。

通常のヘアサイクル(毛周期)は大きく「成長期」「退行期」「休止期」に分かれ、「成長期」において髪の毛は最も活発に育まれます。通常は約1000〜2000日かけてヘアサイクルが1周しますが、AGAの発症でヘアサイクルが乱れると髪の毛の「成長期」が最短100日程度と極端に短縮されてしまうのです。

AGAの詳しいメカニズムは以下の通りです。

① 「テストステロン」と酵素の「II型5αリダクターゼ」が結合

② 「ジヒドロテストステロン(DHT)」が発生

③ 男性ホルモンレセプターが「DHT」をキャッチ

④ 脱毛因子「TGF-β」が増加

⑤ 「TGF-β」が毛乳頭細胞に退行期移行へのシグナルを発信

また、AGAは進行性であることが知られており、一度発症してしまうと自然に治ることは決してありません。そのため、薄毛が気になり出した場合は、なるべく早く専門医を受診し、治療を始めることが大切となります。

2　自分の症状を理解する

AGAの診断の第一歩は、自分の症状を理解することです。AGAの一般的な症状としては、頭頂部やこめかみの薄毛、生え際の後退、全体的に髪が薄くなるなどが挙げられます。これらの症状がある場合は、できるだけ早く医師に相談することが大切です。

3　AGAの症状

以下のような症状がある場合、AGAの可能性があります。

①前頭部や頭頂部の髪が薄くなる、後退する

②こめかみやおでこにU字型に髪が後退している

③以前は太く豊かだった部分の毛が抜ける

④ブラッシングやシャワーの際に毛が抜ける

4　AGAの診断方法

AGAの診断には、頭皮や髪質の変化を記録することが一番です。

ステップ1：生え際を調べる

AGAによる抜け毛の初期段階で最も一般的な兆候は、こめかみや額の後退です。生え際をチェックするには、明るい場所で鏡の前に立ち、額とこめかみに注目します。前回チェックしたときから生え際が後退していたり、以前ほど濃くなっていないことに気づいたら、AGAの初期段階であるサインかもしれません。

ステップ2：薄毛の箇所をチェックする

AGAの症状としてよく見られるのが、頭頂部や頭頂部の薄毛です。鏡の前に立ち、明るいところで、頭頂部や頭頂部を指やクシで丁寧に見てみましょう。頭皮が他の部分より目立って見える箇所があれば、その部分が以前より薄くなっていることを意味し、AGAによる薄毛の兆候を示す可能性があります。 

ステップ3：シャワーや枕カバーについた抜け毛に注意する

寝起きやシャワー時に、枕カバーに髪の毛が残っていたら、抜け毛が増えている証拠です。枕カバーやシャワーの排水口に髪の毛が残っているのを見つけたら、その量を記憶しておき、抜け毛の量が増えているようであればAGAの可能性があります。

ステップ4：家族歴のチェック

AGAを診断する際には、家族歴を考慮することも大切です。AGAを発症するかどうかは遺伝の要素が大きいため家族の中に同じような症状を経験した人がいたり、AGAを早くから発症していたりすると、自身もAGAを発症するリスクが高くなる可能性があります。

5　気になる場合はAGAクリニックへ

セルフチェックをしてAGAかもしれないと思ったら、AGAクリニックに相談し、専門家の意見を聞いてみましょう。専門家であれば、あなたの状況をよりよく把握し、症状を管理するための最善の方法を判断することができます。

6　まとめ

本記事では男性型脱毛症（AGA）のセルフチェックをする方法について説明しました。頭皮や髪に変化を感じたら、変化を観察していきましょう。より確実を期すのであれば、医師に相談し、頭皮の状態を詳しく調べてもらい、必要であれば詳しい検査を受けることをお勧めします。AGAの兆候と原因を理解すれば、自分で診断する際にも安心です。

AGAは早期に治療を開始するほど効果を得られやすいため、髪の変化に気づいたらまずはご相談ください。

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