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2022.11.26

喫煙と薄毛の関係について

薄毛は男性の深刻な悩みの一つで、薄毛に悩む方は全国に約1,200万人もいると言われています。薄毛にはいくつかの原因が考えられますが、主な原因はAGA(男性型脱毛症)です。AGAは進行性の症状であり、原因を理解した上で正しい治療が必要となります。

薄毛にお悩みの方の中には喫煙習慣がある方もいらっしゃるかと思います。喫煙は健康に悪影響を及ぼすリスクがあり、薄毛にも関係があるのではないかと考える人もいるかもしれません。本記事では喫煙と薄毛の関係について解説します。

AGAとは?

まずはじめにAGAについてその内容、原因などを説明します。

AGAは「Androgenetic Alopecia」の略で、日本語では「男性脱毛症」と訳されます(「Androgen = 男性ホルモン」「Alopecia = 脱毛症」という意味)。

AGAは男性に最も多く見られる脱毛症で、額の生え際や頭頂部の髪の毛が細く短くなり、少しずつ髪の毛が薄くなっていくのが特徴です。

AGAは男性ホルモンの「テストステロン」と酵素の「5αリダクターゼ」が結合した「ジヒドロテストステロン(DHT)」が毛根に作用することで進行します。

通常のヘアサイクル(毛周期)は大きく「成長期」「退行期」「休止期」に分かれ、「成長期」において髪の毛は最も活発に育まれます。通常は約1000〜2000日かけてヘアサイクルが1周しますが、AGAの発症でヘアサイクルが乱れると髪の毛の「成長期」が最短100日程度と極端に短縮されてしまうのです。

AGAの詳しいメカニズムは以下の通りです。

① 「テストステロン」と酵素の「5αリダクターゼ」が結合

② 「ジヒドロテストステロン(DHT)」が発生

③ 男性ホルモンレセプターが「DHT」をキャッチ

④ 脱毛因子「TGF-β」が増加

⑤ 「TGF-β」が毛乳頭細胞に退行期移行へのシグナルを発信

喫煙と薄毛の関係

薄毛の原因がAGAである場合、AGAは上記のようなメカニズムで発症するため、AGAを発症するかどうかに喫煙習慣の有無は関係ありません。

しかし、研究によれば、喫煙と薄毛の関連性が存在することが示されています。以下にその関係について紹介します。

  • 血行障害と酸化ストレス
    喫煙は血行を悪化させる要因の一つです。タバコに含まれるニコチンや有害物質は血管を収縮させ、酸素や栄養素の供給を妨げることがあります。これにより、髪の毛に必要な栄養や酸素の供給が減少し、薄毛のリスクが高まると考えられています。
    また、喫煙によって体内に取り込まれる有害物質は酸化ストレスを引き起こす可能性があります。酸化ストレスは細胞のダメージや炎症を促進し、頭皮や毛根の健康を悪化させることがあります。
  • ホルモンバランスの変化
    喫煙はホルモンバランスにも影響を与えることがあります。特に、喫煙によって血中の男性ホルモンであるテストステロンの濃度が上昇することが報告されています。AGA患者にとって過剰なテストステロンは薄毛の進行を促進する可能性があります。

対策と禁煙の重要性

薄毛を予防または改善するためには、喫煙を避けることが重要です。禁煙することで、頭皮の血行が改善し、髪の毛に必要な栄養や酸素の供給が増えることが期待されます。また、禁煙によって酸化ストレスが軽減され、ホルモンバランスの正常化も促進される可能性があります。

しかし、禁煙による過度なストレスも同時に抜け毛の原因につながったり髪や頭皮に良くないため、できる限りのペースで禁煙することが望ましいです。

最後に

本記事では喫煙と薄毛の関係についてご説明しました。喫煙は薄毛のリスクを高める要因の一つとされています。血行障害や酸化ストレス、ホルモンバランスの変化などが関連しています。そのため、禁煙は薄毛予防や改善の重要なステップとなります。健康な髪を保つためには、禁煙と健康的な生活習慣の維持が必要です。

禁煙に加えてAGAには適切な治療が必要になります、薄毛にお悩みの方はお気軽にご相談ください。

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監修医師

TOSHIYA ISHIYAMA
石山 敏也

2014年順天堂大学医学部卒業後、順天堂大学医学部附属順天堂医院に勤務。19年より、新島診療所村医に就任。20年スキンシアクリニック副院長に就任。日本内科学会認定医産業医

参考文献
Otberg, N., Shapiro, J., Lui, H., & Lavery, S. (2007). Hair follicle biology: From basic science to clinical applications. Journal of Investigative Dermatology Symposium Proceedings, 12(2), 2-7. doi: 10.1038/sj.jidsymp.5650048.

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