2022.05.22

Interview vol.2 -芝原俊輔氏- 「自分自身が変われたことで、お客様も美しく」

株式会社IJK
代表取締役 芝原俊輔

芝原俊輔(しばはらしゅんすけ)|美容室IJK OMOTESANDO、BAR、パーソナルジム、会員制サウナ付スパ、美容ダイエット居酒屋など、5業種の企業を経営する実業家、芝原俊輔氏にインタビューを実施しました。美容師からキャリアをスタートして現在に至るまでのプロセス、そして顧客へ価値提供したい美容の可能性についてお話を伺いました。

IJK OMOTESANDO :http://ijk-hair.com/
IJK GYM:https://ijk-gym.com/
THT AZABU HOUSE:https://theazabuhouse.jp/
ダイエット居酒屋 美酒楽:https://dietizakayamishura.com/
Twitter:https://twitter.com/BeautyChoki2?s=20&t=eR2zNMsw1btQGBHW8tm28g
Instagram:https://www.instagram.com/ijk_shiba/

美容師を志した想い「自分が携わるから結果の変わる仕事がしたい」

僕はバスケがすごく好きで、高校はバスケの強豪校に入り、ひたすらバスケ漬けの生活を送ってました。現役時代はバスケのことしか考えてなかったので、引退後に「自分は何をしたいんだっけ?」とようやく考え始めた感じです。

そこで思ったことが、将来は「自分が関わることで結果が変わること、仕上がりが変わる仕事がしたいな」と思ったんです。

そう思った原体験が、学生時代にクセ毛で悩んでいたことにあるんですよね。クセ毛だったこともあり学生時代はボンバーとあだ名付けられたりしたこともあって、性格的に傷ついたりすることはなかったんですけど、クセ毛にはすごく悩んでました。自分の映る写真も頭が爆発しててダサいなと。笑

クセ毛に悩んでいたからか、中学一年くらいからワックスつけ始めたり、ストレートアイロンとかも手を出したり、親の理解もあったので縮毛矯正もやったりと、割と早くから髪をいじるのがすごく好きだったんですよね。クセ毛に悩んでいてもスタイリングも上手になったし、自分がセットするからカッコよくできるというか。あとは僕のクセ毛というコンプレックスを美容師さんが解決してくれて、いい仕事だなと思った。

そういった経験から、部活が終わったときに「自分が携わるから結果の変わる仕事がしたい」というのと、髪をいじるのが好きだったので、大阪でお世話になった美容院のオーナーに美容師になることを相談したら「いいと思うよ」とおっしゃってもらい、美容師を志しました。

どうせやるなら厳しい環境でと思い、日本で一番厳しい学校が大阪にあったので、そこ身を置きました。また、美容院のオーナーから「一番になりたかったら東京に行かないと無理だよ」と言われて、じゃあ東京に行こうと表参道の美容院に就職して、僕の美容師のキャリアがスタートしました。

写真:芝原俊輔氏

自分が欲しいもの軸に、顧客提供価値を最大化させたい

美容師として独立後、現在5業種の会社を経営していますが、自分が欲しいものを提供していることと、この美容院をご利用いただいている顧客へより価値提供したいというところから拡大しています。

美容院では、自分のコンプレックスがクセ毛ということもあって、クセ毛の方の悩みはものすごく理解しています。クセ毛の人のすべてはコンプレックスを抱えていると思うんですよね。なので僕と同じ悩みを持つ人のコンプレックスを解消してあげたいという想いは強かったもしれません。なので、ここのお店は縮毛矯正と髪質改善が売りで、おそらく日本で一番縮毛矯正しているんじゃないかっていうくらいやっています。

顧客にとってMustとWantがあると思っていて、Mustには白髪染めや縮毛矯正があると思い、Wantにはカラーなどが当てはまると考えています。どういうことかというと、コンプレックスになるものは基本Mustで、顧客にとって必ず解消しなければならない課題。ただ白髪染めは家でもできますし、カラーなどは極論黒髪でも済みます。

そういう意味で、縮毛矯正は美容院でしかできないんです。僕は、このお店をコンプレックスが解消できる美容院でありたいと考えています。こんなに1日に何十と縮毛矯正の予約が入る美容院はないんじゃないかなと。

その他の業種は、僕が「こんなのあったらいいな」というのを世の中に作り出しているだけ、というのが正直なところです。

2業種目の渋谷に出しているBARの場合は、僕が行きたいようなお店を作りました。元々レモンサワーが大好きで、こだわった5種類のレモンサワーを提供していたり、ボディメイクしていることもあり、太りたくないということから糖質80%オフパスタだったり、ローストビーフであったり、夜中に食べても罪悪感のないものを提供しています。また女性が喜ぶように、入手困難なお取り寄せスイーツとか、カラオケあったりとか。

自分が欲しいと思うものに加えて、顧客が喜ぶようなコンテンツを揃えたことで、実は美容院の顧客が使ってくれることが多かったんです。IJKがやっている、芝原がプロデュースしているという点で信用してもらえたのかなと。

すごくいい場所を作れたなと思っていたのですが、コロナが全てを奪ったんですよね。業界全体もそうですが、顧客が「いきつけの店」として利用してくれていた習慣をコロナにやられてしまった。なので顧客の習慣を作り直す必要がありました。

そのときにデリバリーを自社で始めて、デリバリープラットフォームは使わずに、配送も自社ですべてやってました。温かいまま運びたいから袋にホッカイロを入れたり、細やかな配慮を忍ばせて。そういう取り組みをしていたら6週間で1,800食売れ、結果的にファンの方がすごく増えました。

3業種目のパーソナルジムは、美容院と同じ物件に作るというのが絶対条件でした。というのも、女性にとって髪の毛を乾かすのはすごく面倒くさい。なのでジムに行くこと自体億劫な方って結構いらっしゃるんですよね。

なのでジムでは、手ぶらでこれるようにトレーニングウェアに加えて、靴の貸し出しも料金に含まれています。シャンプーやアメニティ、化粧水や乳液も持参する必要がないように、サロンで使っている高品質なものを配備しています。

そしてジムが終わったら、髪が濡れたまま美容院に来れるような導線にしています。ジムで身体を鍛えて、そのまま美容院に来れる。そんな極上な美容体験はないなと思っていて、そんな顧客体験を提供するのに美容院と同じ物件に作りました。

そのため、美容院の顧客でジムに入会している人が結構多いんですよ。IJKの特徴ですが、各業種間の顧客の被りがすごく多いんですよ。美容院で信頼を獲得しているので、IJKがやっている、芝原がやっているということで間違いないだろうと思ってくれる方がいらっしゃって。会社としても、すでに美容院で培った顧客基盤があるので余計なコストをかけて宣伝する必要がないことも強みです。

4業種目の会員制サウナ付スパについても、元々僕がオリーブスパがすごく好きで、毎週のように通ってたんですよね。岩盤浴よりサウナの方が好きだったので、定期的に身体のコンディショニングを整えて、翌日の仕事もきちんと迎えられる場所を作りたいなと思って作りました。

お金を結構かけて改装し、理想通りのスパをつくったところ、色んな顧客に来ていただいて、港区では割と知られる施設にもなりました。今現在入会待ちの方が500名を超えていて、おかげさまで人気施設にできることができました。

あとはダイエット居酒屋、美酒楽(みしゅら)ですね。ダイエット中は大体和食屋さんを選ぶんですが、鳥のソテーや焼き魚を頼んでも意外と油をすごく使ってあって、ストレスを感じることが多かったんです。

最近のダイエットの主流としては「油を抑えていきましょう」なんですよね。糖質制限すごく流行りましたけど、実はリバウンドリスクが高いんです。僕もハードに糖質制限して2カ月で8キロとか落としたこともありますが、すぐに戻っちゃったんですよね。

そのような経験から、きちんと油を抑えた食事で、糖質制限することなくダイエットができる居酒屋というのをコンセプトに作っています。また飲み放題もついて6500円というプライスで、おかげさまで安くておいしいとおっしゃって頂くことが多いです。これからはデリバリーやミールキットなど、ダイエットで得た知見を世の中に広めたいなと思ってます。

写真:芝原俊輔氏

自分自身が変われたことで、お客様も美しく

ダイエットして半年で18キロ落とした結果、自分に対する美意識はかなり変わりましたよね。眉サロンに行ったり、まつげパーマ、まつエク、ボトックスやヒアルロン酸も打ったり。サプリメントも摂るようになったりと、とにかく美意識が高まりました。

ダイエット成功して、性別問わず、やっぱりモテるんですよね。笑

お世辞かもしれませんが、「カッコイイ」と言われることがとにかく増えて。こんなに反応変わるんだって。それがモチベーションになるというか。

僕は美容やダイエットによって人生が変わったし、すごく幸せにしてもらったと思っているので、それを美容師として、起業家として皆さんに広めたいとおもっています。

コンプレックスって何か自分を卑下してしまうというか、人からの目が怖く思ってしまうこともあると思うんですよね。特に他人が何も思っていなくても、コンプレックスを持つことで人目を気にしてしまって、人前や仕事で自信をもって喋れなかったりすることもあると思います。

僕も元々人見知りだったんですけど、秘書から「芝原さんほんと明るくなりましたよね」ってよく言われるようになりましたが、それはやっぱり自信を持てたことが大きいですね。自分を卑下しなくなったというか。

また、僕のダイエットや美容への取り組みに感化されてか、お客様でもダイエットや美容に力を入れる方がめちゃくちゃ増えました。来店されるたびにダイエットの経過報告をされるお客様もいるくらいに。お客様も美意識が高まってキレイになって、恋人ができた方もいらっしゃったり、性格も明るくなった方もいらっしゃったり。

僕もダイエットが成功した今も体重を維持して体脂肪落としたりしているんですが、「また綺麗になりましたね」って言って頂くことも多くて、それが嬉しくてお客様を迎えるのにどんな髪型で迎えようかなって考えることがすごく楽しみで、それを見てお客様も美しくなろうっていうモチベーションが高まったり、そういう関係が築けているのはお互い嬉しいですよね。

美容の需要は、僕らが生きている限りは終わりがない

NOFATEさんがやられているオンラインAGA診療、これは薄毛という髪の毛の課題としてはMustに入るものだと思います。

僕が経験したクセ毛のペインと同様に、悩まれている方のコンプレックスの度合いとしては非常に大きいものだと思います。こちらも縮毛矯正同様、自分でどうこうするのは難しい分野だと思うんですよね。もちろん髪の毛のプロである美容師でも解決できない。やはり医療であるため、医師しか解決できない。

ただ、コンプレックスである薄毛、わきが、EDなどは昔からあると思うんですけど、コンプレックスであるがゆえに費用もすごく高かったと思うんです。儲かるので。

それがオンライン診療が盛んになり、適正価格に下がっていって。NOFATEさんのように月々4,500円で治療できる時代になって、ハードルが低くなったという意味で、すごくいいなと思っています。

あと、お客様も髪の毛が増えると、僕ら美容師もデザインしやすくなるので、お互いにお客様のコンプレックスが解消できたらいいなという意味で。

コロナによって美容整形、美容医療がすごく身近になったと思うんですよ。ダウンタイムもマスクによって気にしなくていいですし。その美容の需要と相乗効果で、美容院含めた美容業界は僕らが生きている限りは終わりがないくらいに広がっていくのかなと思っています。 これからも自分が好きで、得意な領域である美容という文脈で、お客様に価値提供しつづけられればなと思っています。

写真:芝原俊輔氏
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